カテゴリー別アーカイブ: 撮影

日本映画のサウンドデザイン

『日本映画のサウンドデザイン』
紅谷 愃一 著/小島 一彦 監修
2011年 誠文堂新光社

とにかく、現場現場で異なる問題に悩まされる様子が伝わって来ます。
プロの世界にだって、録音にシンプルな答えなどないということが分かる一冊。

カエルの大合唱、セミの大群、海外のまちの騒音・・・。

風が強ければマイクに風防をつけ、録音マンもジャケットを着込む。
塵が舞えばマイクに防塵をつけ、録音マンもゴーグルとマスクをつける。

『羅生門』のアフレコでは、室内収録はおかしいから屋外でやることになったり。

「サウンド・オンリー」とは、本番が終わった後に、録音に不都合があったために、すぐに同じ演技をして音だけを収録すること。これは自主映画でもよくやりますね。

本書から自主映画でも役立つノウハウを取り出すなら、「カメラのフレーム外ギリギリまでマイクを役者に寄せ、可能な限り明瞭な声を同時録音しようと努力する」。この言葉に尽きるんじゃないかと思います。

著者の60年に渡る映画制作の経験をまとめており、
昭和の映画史を記した本にもなっていると思います。

ビデオグラファーのための 音声収録&整音ハンドブック

『ビデオグラファーのための
音声収録&整音ハンドブック』
2017年 玄光社

待ってました!的な本です。

撮影をしたことがある人なら全員、
「音を録るのが難しい」
ということを感じると思います。

前半の基本原理とか波形とか
そういう知識はすっ飛ばし、
途中からの具体的な収録方法を読むといいですね。

そして撮影現場の収録方法だけでなく、
録った音声からノイズを取り除く方法まで。

類書があまりないこともあり、
この本は「買い」です。

でもやっぱり、
「一度は自分で撮影・録音したことがある人向け」
かな。

映画のようなデジタルムービー表現術

『映画のようなデジタルムービー表現術』
ふるいちやすし 著
島内哲朗 訳
2013年 玄光社MOOK

この本はですね、初心者は読んではダメな本です。
映画を作ったことがない人にオススメしない、
ものすごくいい本なのです。

デジタル一眼レフを使って、
いかに映画っぽい映像を仕上げるかについて、
大量の事例とカラー写真を使って解説しています。

僕なんて見ているだけでドキドキします。
個人で映画を作りたい人が求めている本です。
他になかなかない、素晴らしい本だと思います。

でもねえ・・・
こういったことにこだわり始めると、
経験の少ない個人の映画は進まないですよ。
満足いくスタッフも集めるのは難しいでしょう。

まとめです。

多分、買っておくといいでしょう。
勉強したい人は満足します。

でも同時に、あまり頼り切らずに
どんどん撮り続けましょう。

でも、
★カルフ文庫認定!

ビデオグラファーの制作術

『一人で質の高い映像作品を作る!
 ビデオグラファーの制作術』
岸本 康 著
2015年 玄光社

とてもいい本を見つけました。

一人で映画を作るための、
そしてちょっとレベルが上の映像を目指すための、
事細かい情報が満載です。

が!
お断りをしておきます。

すでに数本、自分で作ってみた人だけが読んでください。
何作品が作ってみて、自分の経験や機材と照らし合わせながら読むととても役に立つ本です。

まったく経験のない、仲間もいない、
頭でっかちの状態でこれを読むと・・・

さらに頭でっかちになります。

そして、映画制作がスタート不可能な状態に陥る可能性があります。
それだけ、細かい情報が充実しています。

豊富な情報というのは、諸刃の剣ですね。

スタジオ撮影&ライティングブック

『スタジオ撮影&ライティングブック』
PhotoGRAPHICA編集部
2009年 MdN

屋内での写真撮影における照明のテクニック本です。
でも、映画でもほぼ同じコツが使えます。

映画撮影で、ここまで細やかな照明がセッティングできる可能性は低いですが、
一つ一つの撮影の様子を写真とイラストで説明しているのが凄く役に立ちます。

<実戦>映像ライティング

『<実戦>映像ライティング』
櫻井雅章 著
2008年 玄光社MOOK

照明の本では、これがすごくオススメ。
動画撮影における照明の技術とノウハウを豊富な写真で紹介しています。

どれとどれがあれば、どんなことができるのか。
そんな参考にピッタリの本です。

特殊機材だけではなく、身近なものを使った工夫もいい。

この本を見ると、
○照明が「工夫」でできていること
○光の演出とは「作り上げていく」こと
ということがよーく分かります。

辞書のように都度パラパラめくって参考にする、という使い方に適しています。

専門用語集は役に立ちますが、全部覚える必要はありませんし、
機材リストも、その中からピックアップする、という見方をしましょう。

声優・朗読入門トレーニング

『声優・朗読入門トレーニング』
福島英 編著
2007年 新水社

知らない世界のことを読むのはおもしろい。

声のお仕事についてまとめられた本だけど、予想以上に幅が広いことに、気付かされます。
アニメ、吹き替え、ラジオドラマ、ナレーション、パーソナリティー、CM、インタビュアー・・・

それぞれ声の出し方、そして訓練、求められているものの違いがこうも違うとは。
強弱や間の取り方なども解説してあります。

特に、実践編として、あらゆるジャンルのトレーニング用の原稿が載っているのがいいですね。

例えば、洋画の吹き替え訓練に映画のワンシーン、実況の訓練に大相撲の貴乃花対武蔵丸戦など。

アニメと吹き替えで、声の演技の仕方が違うことなど、目から鱗も盛りだくさんな本でした。

シネマ ファッション

『シネマ ファッション』
小幡江里 責任編集
1993年 デラックスカラーシネアルバム

ハリウッドの映画衣装の歴史を網羅した本です。
有名デザイナーたちへのインタビューからスタート。

「女優はアップが多いので、ネック周りを注意してデザインする」などなるほどと思わせることも多々あります。

写真やデザインデッサンも大量に掲載されており、興味ある人から見たらよだれが出るかもしれませんね。
古代ローマなど歴史ドラマの衣装から現代劇まで、映画の創世記から現代まで、と各ジャンル・時代の衣装を比較しているのも面白いです。
10年ごとに大きく流行傾向も変わっていくのだなと実感できます。

映画は役者の演技に注目しがちですが、衣装もその役柄を大きく表現しているのですね。

レイ・ハリーハウゼン大全

『レイ・ハリーハウゼン大全』
レイ・ハリーハウゼン/トニー・ダルトン 著
矢口誠 訳
2009年 河出書房新社

本当に興奮しました。この名前を聞いてピンと来る方向けの本です。
『アルゴ探検隊の冒険』『シンドバッドの冒険』『キング・コング』。
そういった作品のモンスターを作ってきた、ミニチュア特撮アニメーションの祖。
特撮映画マンになることを夢見ていた僕のヒーローです。

300ページ以上もあるフルカラーの大判の書籍です。
本と言うより図鑑ですね。
6600円で、なかなか個人で買う本ではないかもしれません。
※図書館で借りました。

今のようなコンピュータグラフィックスではなく、手作りで作って行く。
モンスターや恐竜、未知の生物を一体ずつ、イメージイラストを描き、身体の構造を考え、組み立てる。
その行程の写真、構造のデッサンのほか、当時の特殊撮影の方法も図式で解説します。

もちろんそのほとんどが、時代遅れ。
でも、映像の魅力は今でも色あせることはありません。
そして、その考え方はこれからも変わりません。

頭の中の、ある部分をビシビシと刺激してくる本でしょう。

熱闘 映画術

『熱闘 映画術』
椎名誠
1991年 マガジンハウス

椎名誠監督の映画『うみ・そら・さんごのいいつたえ』の
撮影現場を写真とインタビューで追ったフォトドキュメンタリー。

個人的に椎名誠のファンというのもあるけれど、
そうでなくても一連の写真には興奮すると思います。
多くの仲間が集まって、大変さにひーひー言いながらも、
うまいものを食って酒を飲んで歌って踊って、そして撮る。
ひとつの幸せな映画撮影現場の姿を、目で追体験できます。

映画の撮影現場って、たいてい文字でしか読めないことが多いので、
こうやって多くの写真で具体的にイメージできるのは貴重だと思います。

ちなみに、椎名誠は、上映キャラバンでも有名です。
できあがった作品をかついで、全国をまわっていました。

映画とは、つくることと見せることの両方でなりたっている好例です。