カテゴリー別アーカイブ: 02撮影

スクリプターはストリッパーではありません

『スクリプターはストリッパーではありません』
白鳥あかね 著
2014年 国書刊行会

長年スクリプターとして映画業界で活躍してきた著者による回想録です。
フィルムの話が多いため、今の自主映画でそのままマネするかというと少し違うとは思いますが、昭和映画史のメイキングとか裏話が好きな人のためのページが大半。
写真も多く、ミーハーな方は楽しめる本ですね。

いくつか内容から抜粋を。

・スクリプターの仕事というのは記録することだけじゃなくて、監督にとっての最良のアドバイザーであること。
・監督はせっかちだから、自分がOKだと思うとすぐOKと口にするが、ゆっくり3つカウントしてからカットをかけるといい。編集上、余裕が欲しい時があるから。

また、映画産業が斜陽になり、映画で残るかテレビに行くかで悩む話があって興味深かった。

「私はテレビ向きじゃないと思った。茶の間でご飯を食べるシーンで主人公の性格からしてこんな茶碗は使わない、とか道具さんに言ったら、そんなことやってたらいつまで経っても撮り終わらないぞ、と」
「日活がロマンポルノ路線になることで、ベテラン監督が一斉に辞めていった。監督室に上から60人くらい入社順に札が並んでる。その札のおしりの人はあと十年くらい待たないと監督になれなかった。それが、その人たちにチャンスが舞い込んだ」
「ロマンポルノでは、現場で録音がなかった。音があるとその分、時間がかかる。ロマンポルノでは録音部の人件費、機材、時間をカットして、後から音を録る」

タイトルはダジャレとして滑ってると最初思ったけれど、実はちょっと面白くハートフルなエピソードで実際に言われた言葉だと分かります。

撮ってはいけない

『撮ってはいけない』
飯野宝 著/紺野礼央 監修
2017年 自由国民社

スマホで気軽に写真が撮れる時代。
「撮っていい・悪い・法律に触れる」という視点で
様々なケースについて解説しています。

●背後に写り込んだ人物や乗り物、建物は、著作権侵害にも肖像権侵害にもならない。
●公園や路上のオブジェは自由に撮れる。

などは、なるほどな、と思いました。

しかし、映像の撮影となると、気になることはいっぱい出てきます。

公共の場でロケしていて、誰かが市販の音楽を流してたら・・。
以前、撮影場所のすぐ近くでカラオケ大会が開催されてたこともありました。

パソコンのホームページは撮っていいのか、も気になる。
僕は撮影に必要なホームページは自作してしまう派です。

ただ脚本書いて頑張るだけが映画づくりではない。
仮に問題がなくても、相手のことを考えて許可を取る。
それもマナーじゃないかと思います。

トムさんの映像の撮影でたいせつなこと

『トムさんの映像の撮影でたいせつなこと』
トム・シュレプル 著 / 島田英二 訳
2010年 株式会社スノウバグズ

表紙のイラストも柔らかく、とても初心者受けしそうな装丁になっています。
それにつられて読んでみました。

イラストも多く、語り口調もソフト。
とっつきやすい書籍だと思います。

しかし、書かれている内容は、そこそこ本格的だなと感じました。
何も知らない人が「このくらいは理解しないと・・」という考えでトライすると、ちょっと挫折しそうになるかなと。

どうやら本書は、アメリカの大学の教科書にもなってるようです。
そういう意味では、基本的なことがきちんと抑えられている書籍、と考えていいと思います。

「納得しないと動けない」タイプの人に向いている本かなと思いました。

そうじゃない人は、本など読まずにスマホで撮りまくって感覚をつかむ方が早いでしょう。
(その後に、本を読むとさらによし!)

フィルムメイキング・ハンドブック

『フィルムメイキング・ハンドブック』
ウェディングフィルムから学ぶ撮影と編集の手法


酒井洋一 著
2018年 玄光社

映画っぽい映像を撮りたい人のための解説本。
結婚式の動画制作をもとに解説していきますが、
自主映画で映画っぽい雰囲気づくりに凝りたい方にはピッタリだと思います。

一眼レフを中心にしていることもあり、
レンズや設定など専門用語も多いので、
多少の経験者向けの本だと思います。

ただ、カメラや録音照明など機種名や組み合わせの実例も多く、
満足できる内容となっています。

僕も何だか、アート作品を撮りたくなった本でした。



日本映画のサウンドデザイン

『日本映画のサウンドデザイン』
紅谷 愃一 著/小島 一彦 監修
2011年 誠文堂新光社

とにかく、現場現場で異なる問題に悩まされる様子が伝わって来ます。
プロの世界にだって、録音にシンプルな答えなどないということが分かる一冊。

カエルの大合唱、セミの大群、海外のまちの騒音・・・。

風が強ければマイクに風防をつけ、録音マンもジャケットを着込む。
塵が舞えばマイクに防塵をつけ、録音マンもゴーグルとマスクをつける。

『羅生門』のアフレコでは、室内収録はおかしいから屋外でやることになったり。

「サウンド・オンリー」とは、本番が終わった後に、録音に不都合があったために、すぐに同じ演技をして音だけを収録すること。これは自主映画でもよくやりますね。

本書から自主映画でも役立つノウハウを取り出すなら、「カメラのフレーム外ギリギリまでマイクを役者に寄せ、可能な限り明瞭な声を同時録音しようと努力する」。この言葉に尽きるんじゃないかと思います。

著者の60年に渡る映画制作の経験をまとめており、
昭和の映画史を記した本にもなっていると思います。

ビデオグラファーのための 音声収録&整音ハンドブック

『ビデオグラファーのための
音声収録&整音ハンドブック』
2017年 玄光社

待ってました!的な本です。

撮影をしたことがある人なら全員、
「音を録るのが難しい」
ということを感じると思います。

前半の基本原理とか波形とか
そういう知識はすっ飛ばし、
途中からの具体的な収録方法を読むといいですね。

そして撮影現場の収録方法だけでなく、
録った音声からノイズを取り除く方法まで。

類書があまりないこともあり、
この本は「買い」です。

でもやっぱり、
「一度は自分で撮影・録音したことがある人向け」
かな。

映画のようなデジタルムービー表現術

『映画のようなデジタルムービー表現術』
ふるいちやすし 著
島内哲朗 訳
2013年 玄光社MOOK

この本はですね、初心者は読んではダメな本です。
映画を作ったことがない人にオススメしない、
ものすごくいい本なのです。

デジタル一眼レフを使って、
いかに映画っぽい映像を仕上げるかについて、
大量の事例とカラー写真を使って解説しています。

僕なんて見ているだけでドキドキします。
個人で映画を作りたい人が求めている本です。
他になかなかない、素晴らしい本だと思います。

でもねえ・・・
こういったことにこだわり始めると、
経験の少ない個人の映画は進まないですよ。
満足いくスタッフも集めるのは難しいでしょう。

まとめです。

多分、買っておくといいでしょう。
勉強したい人は満足します。

でも同時に、あまり頼り切らずに
どんどん撮り続けましょう。

でも、
★カルフ文庫認定!

ビデオグラファーの制作術

『一人で質の高い映像作品を作る!
 ビデオグラファーの制作術』
岸本 康 著
2015年 玄光社

とてもいい本を見つけました。

一人で映画を作るための、
そしてちょっとレベルが上の映像を目指すための、
事細かい情報が満載です。

が!
お断りをしておきます。

すでに数本、自分で作ってみた人だけが読んでください。
何作品が作ってみて、自分の経験や機材と照らし合わせながら読むととても役に立つ本です。

まったく経験のない、仲間もいない、
頭でっかちの状態でこれを読むと・・・

さらに頭でっかちになります。

そして、映画制作がスタート不可能な状態に陥る可能性があります。
それだけ、細かい情報が充実しています。

豊富な情報というのは、諸刃の剣ですね。

スタジオ撮影&ライティングブック

『スタジオ撮影&ライティングブック』
PhotoGRAPHICA編集部
2009年 MdN

屋内での写真撮影における照明のテクニック本です。
でも、映画でもほぼ同じコツが使えます。

映画撮影で、ここまで細やかな照明がセッティングできる可能性は低いですが、
一つ一つの撮影の様子を写真とイラストで説明しているのが凄く役に立ちます。

<実戦>映像ライティング

『<実戦>映像ライティング』
櫻井雅章 著
2008年 玄光社MOOK

照明の本では、これがすごくオススメ。
動画撮影における照明の技術とノウハウを豊富な写真で紹介しています。

どれとどれがあれば、どんなことができるのか。
そんな参考にピッタリの本です。

特殊機材だけではなく、身近なものを使った工夫もいい。

この本を見ると、
○照明が「工夫」でできていること
○光の演出とは「作り上げていく」こと
ということがよーく分かります。

辞書のように都度パラパラめくって参考にする、という使い方に適しています。

専門用語集は役に立ちますが、全部覚える必要はありませんし、
機材リストも、その中からピックアップする、という見方をしましょう。