カテゴリー別アーカイブ: 撮影

シネマ ファッション

『シネマ ファッション』
小幡江里 責任編集
1993年 デラックスカラーシネアルバム

ハリウッドの映画衣装の歴史を網羅した本です。
有名デザイナーたちへのインタビューからスタート。

「女優はアップが多いので、ネック周りを注意してデザインする」などなるほどと思わせることも多々あります。

写真やデザインデッサンも大量に掲載されており、興味ある人から見たらよだれが出るかもしれませんね。
古代ローマなど歴史ドラマの衣装から現代劇まで、映画の創世記から現代まで、と各ジャンル・時代の衣装を比較しているのも面白いです。
10年ごとに大きく流行傾向も変わっていくのだなと実感できます。

映画は役者の演技に注目しがちですが、衣装もその役柄を大きく表現しているのですね。

レイ・ハリーハウゼン大全

『レイ・ハリーハウゼン大全』
レイ・ハリーハウゼン/トニー・ダルトン 著
矢口誠 訳
2009年 河出書房新社

本当に興奮しました。この名前を聞いてピンと来る方向けの本です。
『アルゴ探検隊の冒険』『シンドバッドの冒険』『キング・コング』。
そういった作品のモンスターを作ってきた、ミニチュア特撮アニメーションの祖。
特撮映画マンになることを夢見ていた僕のヒーローです。

300ページ以上もあるフルカラーの大判の書籍です。
本と言うより図鑑ですね。
6600円で、なかなか個人で買う本ではないかもしれません。
※図書館で借りました。

今のようなコンピュータグラフィックスではなく、手作りで作って行く。
モンスターや恐竜、未知の生物を一体ずつ、イメージイラストを描き、身体の構造を考え、組み立てる。
その行程の写真、構造のデッサンのほか、当時の特殊撮影の方法も図式で解説します。

もちろんそのほとんどが、時代遅れ。
でも、映像の魅力は今でも色あせることはありません。
そして、その考え方はこれからも変わりません。

頭の中の、ある部分をビシビシと刺激してくる本でしょう。

熱闘 映画術

『熱闘 映画術』
椎名誠
1991年 マガジンハウス

椎名誠監督の映画『うみ・そら・さんごのいいつたえ』の
撮影現場を写真とインタビューで追ったフォトドキュメンタリー。

個人的に椎名誠のファンというのもあるけれど、
そうでなくても一連の写真には興奮すると思います。
多くの仲間が集まって、大変さにひーひー言いながらも、
うまいものを食って酒を飲んで歌って踊って、そして撮る。
ひとつの幸せな映画撮影現場の姿を、目で追体験できます。

映画の撮影現場って、たいてい文字でしか読めないことが多いので、
こうやって多くの写真で具体的にイメージできるのは貴重だと思います。

ちなみに、椎名誠は、上映キャラバンでも有名です。
できあがった作品をかついで、全国をまわっていました。

映画とは、つくることと見せることの両方でなりたっている好例です。

イラストでよくわかる!!写真撮影入門

『イラストでよくわかる!!写真撮影入門』
五條伴好・五條瑠美子 著
2001年 学研

子ども、遊園地、赤ちゃん、ポートレート、動物、花火、朝日、逆光、室内、都会・・・
あらゆる場面の写真の撮り方のコツをまとめた本です。

・・と書くと、よくあるものじゃないかと思いますよね。
この本を取り上げたのは、写真の撮り方をイラストで紹介しているところがすばらしいからです。
他でなかなか見ないのです。

カメラの持ち方はもちろん、撮る時のポーズや、被写体との位置関係など、そして光の当たり方や撮影場所の立ち位置まで、イラストで描かれているので非常に分かりやすいのです。
イメージしやすい、という表現が妥当でしょうか。

ちょっと古い本ですが、撮り方の基本は変わりません。
すごく参考になりました。

子どもをもっとカワイく!デジカメビデオ撮影のコツ50

『子どもをもっとカワイく!デジカメビデオ撮影のコツ50』
C3プロダクションズ 監修
2006年 メイツ出版

デジカメ、ビデオカメラ、携帯、と3種類の機器の使い方が紹介されています。
まあ、携帯での撮影を始め、ちょっと機器が古いのが何点ですが、
考え方そのものはまったく変わりません。

子ども向け、だとバカにしないで参考にしてみてください。
初心者の方にはすごく役立ちます。

理由は次の通り。
○子ども、という演出の聞かない相手をうまく撮影するコツが載っている
○何をするか分からない相手でも、とっさの判断ができるコツが載っている
○風景や小道具と組み合わせて、構図を考えるコツが載っている
○相手が動きまわるときの撮影のコツが載っている

嫌みではなく、『子ども=素人役者』、と捕らえると、
すごく役立つ本なのです。
個人的に、「子供の目線の先も構図に入れる」はなるほどと思いました。

なお、必ずしもこの本ではなくても構いません。子ども向けの撮影の本は使えます。

手作りアニメレシピBOOK

『手作りアニメレシピBOOK』
大高那由子 著
2011年 技術評論社

手を動かして作るアニメーションの作り方本です。

すごく可愛らしい本。
写真とイラスト、説明文で仕上がっています。

映像の歴史の初期に使われていた手法を、紙やペン、ボンドなどで再現していきます。
そしてその技術を使って、絵を動かす。

アニメーションの作り方の本として手元に置いておきたい。

映画美術に賭けた男

『映画美術に賭けた男』
中村公彦 著
2001年 草思社

舞台美術から映画の世界に飛び込んだ著者の、映画美術論です。
大正生まれの方なので、話は全般的に古いけれど、
映画全盛期に活躍してきた話は非常に面白い。

●ミニチュアを作って景色を再現する時も、向こうに行くほど縮尺を変えて距離感が出るように工夫する。
●舞台美術においては絵画的要素:建築的な要素が6.5:3.5。一方で映画美術においては、逆。
映画美術に建築が重要なことは確かで、勉強は独学。
●古い町並みを再現する時も、昔の地図を片手に歩き回って時代考証をする。するとイメージがわいてくる。
●映画美術は、建築家がやればいいというものでもない。どこにカメラを置くか、移動スペースをどう取るかなども考える。
インテリアデザイナーとは違う点で勝負する。

その他、日本映画が元気がよかった時代にアジアに進出しておけばよかったのだ、と苦言を呈します。
香港映画は、それをした、と。

そして、予算の関係で映画美術も縮小傾向にあること、後継者が育たないことなども憂いています。

映画技法のリテラシー1

『映画技法のリテラシー1』
ルイス・ジアネッティ 著
堤和子・増田珠子・堤龍一郎 訳
2003年 フィルムアート社

映画の構図、映像の技術について、実際の映画作品を例にとり、
これでもか、とたっぷり見せてくれる本です。

撮影、構図、編集、サウンドや演技まで、映像にかかわるあらゆる角度から解説していきます。
でも、これは危険な本ですね。
映画を撮ってない人は、こういったテクニックにすごく惹かれるもの。
でも、テクニックを使おうとして作る作品は鼻につく。

映画の用語辞典としても使えます。
個人的には、ミザンセヌという言葉がかっこいいと思いました。
フランス語で、ある空間での小道具の配置やアクションの演出をすること、だそうです。

玉ちゃんのライティング話

『玉ちゃんのライティング話』
玉内公一 著
2012年 玄光社

スタジオ撮影の照明術をまとめた本です。
スチール写真、かつスタジオ撮影に特化しているので、
必ずしもそのまま映画撮影に使えるわけではないけれど、
役に立つ発想やアドバイスがいっぱい。

個人映画では、ストロボはいらないし、小物撮影にそこまで時間をかけられない。
でも、照明の当て方で人やモノが作り出す雰囲気、
陰影のつくり方で生み出す感情は同じなのです。

篠木佐夫のあかりの仕事

『篠木佐夫のあかりの仕事』
JPL編集部 編
2008年 未來社

舞台照明を専門として生きた、大御所照明家・篠木佐夫氏の仕事をまとめた本です。
本の半分は氏の仕事の歴史でまとめられているので、
照明技術の本というより、人物の評伝・仕事ぶりの紹介本となっていますが、
照明技術の人の本と言うのは珍しく、彼や周りの人が話す内容が非常に興味深い。

●舞台上では、人物を際立たせるために照明がある。
●映画と比べて観客の注意力の集中のしにくい舞台の芸術では、
照明は、観客の目を重要な劇好意へ誘導するための大切な手段の一つである。

篠木氏は、デザイナーであると同時に、科学的な裏付けとなる学問も独学で研究していたと言う。
舞台の模型を作り、光の当て方を研究したり、水槽に水をはって光の屈折を研究したり。
夕暮れの空を見て、それが何色であるかなど、生活がすべて照明だったとのこと。

職人とはこういう人を言うのだと感じました。