カテゴリー別アーカイブ: その他

ビデオジャーナリズム

『ビデオジャーナリズム』
神保哲生 著
2006年 明石書店

個人で戦うビデオジャーナリストの本です。
これだけ機材が身近になったのだから、どんどんジャーナリズムに挑戦して欲しいという想いから書かれています。

ドキュメンタリーの本はよくあるが、それとはちょっと違う。
「ジャーナリズムの文法」として、映像の表現・記録方法について詳しく書かれており、撮影の基礎講座としても十分役に立ちます。
機材リストも参考になるでしょう。

でも何より、「ジャーナリズムとは」「心構え」といったところに軸足が置かれていると強く感じました。

映画も同じ。
どうやって撮るかの前に、何を表現したいか、が重要なのです。

アメリカ映画風雲録

『アメリカ映画風雲録』
芝山幹郎 著
2008年 朝日新聞出版

有名なアメリカ映画の、舞台裏の監督たちの様子を活写していく本です。
『ミリオンダラー・ベイビー』を撮影しているイーストウッド、
『ロリータ』を撮影しているキューブリック、
『ゴッドファーザー』を撮影しているコッポラ、
『キル・ビル』を撮影しているタランティーノ・・・。
監督たちのわがままぶり、映画への情熱、プロデューサーとの確執。
監督とはさもありなん、という様子が伝わってきます。
映画とはつまり、監督そのものだということも。

それにしても、『ゴッドファーザー』を監督した時のコッポラが
33歳だったというのには愕然としました。

デジタルムービー実践ガイドブック

『デジタルムービー実践ガイドブック』
ビデオSALON責任編集
2012年 玄光社MOOK

写真を見るだけでも、シンプルに興奮する本です。
一眼レフでムービー撮影ができるようになった今、
結局その人の「画作り」の力量がより試されるようになってしまった、
という状況になっています。

この本では、カメラの機種や機材の紹介とともに、
実際に一眼レフでムービーを撮影していく過程を事細かに解説していきます。
最後は、いろんな監督のショートムービーの作り方を
ドドッと立て続けに紹介します。
映画の作り方マニアの僕も納得の内容です。

チェコアニメの巨匠たち

『チェコアニメの巨匠たち』
企画・製作:高城昭夫
企画・監修:くまがいマキ、小宮義宏
2003年 エスクァイア マガジン ジャパン

写真を見ているだけで胸が高鳴る本です。
なぜチェコでアニメが?という疑問について、
歴史背景や文化面での説明がありますが、正直よく分かりませんでした。

でもまあ、そんなことより、チェコアニメ作品の数々のものがたりが興味深い。
20分を超えると構成がおかしくなる、という意見もなるほど、と思いました。
アニメが、リアルな人形だけでなく、糸くずやハンカチ、きり絵など
様々な手法で作られていくことも初めて知りましたし、
どんなストーリーが題材にされるのかを見ているだけでも面白い本です。

一秒四文字の決断 セリフから覗くフランス映画

『一秒四文字の決断 セリフから覗くフランス映画』
山崎剛太郎 著
2003年 春秋社

常々、フランス映画のセリフは独特だと感じてきました。
詩的、と言うべきでしょうか。
説明口調だったり、状況解説的なアメリカ映画のセリフと違い、
あのフランス映画の翻訳はどんなものなのか。
そんな気持ちで読んでみた本です。

著者は長年、フランス映画の字幕翻訳を手掛けてきた人物。
この本の中で、数多くの映画のセリフの翻訳の背景を解説していきます。

やはり、直訳のセリフは、恐ろしく意訳されていることを知れます。
字幕の世界の本はどれもそうですが、「言葉」の重みをすごく感じます。

自分の書くシナリオのセリフも、限りなく贅肉を落としたいものだと
改めて思いました。

映像技術者になるには

『映像技術者になるには』
有竹緑 著
1993年 ぺりかん社

「なるにはBOOKS」という、職業紹介シリーズの1冊です。
巻末に、専門学校やTVプロダクションの情報が並んでいますが、
ずいぶんと古い本ですので、多少変わっている可能性はあります。

この本は、そういう情報を得るというより、
業界の仕事の役割分担の詳細、
業界が欲しがっている人物像のインタビューを読むことに意義があります。

憧れの強い業界です。
個人的にも、働いている人も多く知っていますし、
身体を壊したりいろんな理由で辞めた人も多く知っています。

幅広い情報収集をしたうえで、まずは実際に現場に飛び込んでみてから
続けたいかどうかを決めてほしいなと思います。

表現のビジネス—コンテント制作論

『表現のビジネス—コンテント制作論』
浜野 保樹 著
2003年 東京大学出版会

映画を中心に、行程、人材、収益構造、教育、アーカイブなど
コンテンツ産業をあらゆる方面から網羅的に紹介した本です。

某有名監督のコメントで「映画の作り方とか全部嘘なんです。
こういうものが作りたいと思うものができあがるんです」とある。
これは非常に理解できます。
ただ、ビジネスで成功したい人に「人に感謝すれば成功するんだよ」
と言ってるくらい漠然としたアドバイスであることも分かります。

これに対し著者は「他人に観てもらったり大勢と共有するには、
慣れたフォーマットに従う方が無難である」と現実的なコメントを返しています。

こういった、教科書だけでない部分を読むのも面白かったです。

また、あらゆる用語が英語でも併記されてて、そういった勉強にもなります。

玲子さんのシネマ・ファッション

『玲子さんのシネマ・ファッション』
西村 玲子 著
1991年 講談社

映画エッセイ本です。
何かを得る、何かためになる、という類の本ではないものの、
僕は映画エッセイは数多く読むようにしています。

映画を作る、という作業は、ともすれば独善的になってしまい、
冷静さを失ってしまう。
意見を聞ける周りの人も、自分が選んだ人ばかりであることを考えると、
そんなに幅広い意見が集まるとも限らない。

そんな時、自分とは違う視点を知る。
こんな風に感じる人もいる。こんな見方もある…。

そんな意味も込めて、こういった視点を絞ったエッセイ本も、
作り手として読むのもいいのです。

映画の授業

『映画の授業』
黒沢清ほか 著
2004年 青土社

脚本・演出・撮影・録音・編集。
映画美学校のそれぞれの授業を文字で再現した本です。
プロになりたいわけじゃない人が読むと、
ちょっと小難しい部分もあるかもしれません。

編集はやはり、実際に動くものを見ながらの方が学習しやすいかな、
と思いました。
一方、録音の話はかなり身につまされるものがあり、面白かった。

「普通の会社員をこなせる人なら映画を作れるし、
 逆にきちんと映画を作れる人は会社員もこなせる。」
これは、完全に同意見です。

人生はすべてスクリーンから学んだ

『人生はすべてスクリーンから学んだ』
弘兼憲史 著
2011年 小学館文庫

課長島耕作の著者、弘兼憲史による、様々な名画から学ぶ人生訓集です。
単なるエッセイ集と見ることもできますが、僕は違った読み方をしました。

ビジネス漫画を描く著者ゆえの視点をもって、
名画からインスパイアされて自分の作品に活かしているようなのです。

この本では、その部分を実際のマンガのシーンの紹介とともに解説します。

オマージュを捧げる、パロディにする…
いろんな表現はあるものの、どんな風に自分の作品に
エッセンスを取り入れていくのか。

という読み方も役に立つのでは、と思います。