カテゴリー別アーカイブ: プロデュース

<映才教育>時代 映画の学校はどこにでもある!

『<映才教育>時代 映画の学校はどこにでもある!』
岡博大 著
2007年 フィルムアート社

映画教育現場を様々な方向から追ったドキュメント本です。
特に、新設された東京藝術大学大学院の映像研究科を丁寧に追います。

学校の講師陣、学んだ生徒たち、独学した人、第三者から見た映画学。
映画は学べるか学べないか、という議論もよくあるらしく、
世界各国の映画学校を例に出し、その卒業生の様子も比較しています。

●結論としては、学べる、ということらしい。

でも、表現技術である映画は、自分がどうしたいか、
という軸が最も大事なんだと感じました。

映像メディアのつくり方

『映像メディアのつくり方』
久保田賢一 編
2008年 北大路書房

大学の教科書風の本です。
メディアとは何か、に始まり、カット割りやアングルから読み取れる映像の意図、
それをどうやって撮影するか、といった基礎をまとめていきます。

後半は、実際にドラマ、ドキュメンタリー、CMなどを
作ってみる工程を紹介します。
フォーマットなども多いのが特徴でしょうか。
作りたい人は参考にできますし、作っている人はさらっと復習するのによい本です。

311を撮る

『311を撮る』
森達也/綿井健陽/松林要樹/安岡卓治 著
2012年 岩波書店

森達也など映像作家4人が、東日本大震災の被災地でロケをした
ドキュメンタリー映画の舞台裏をそれぞれ語る本です。
4人それぞれ、自分の想いを持って被災地へ向かっている様子が読めます。

この本は、映像制作の本だけど技術論などは一切出てきません。
自分が撮りたいものは何なのか、なぜ撮るのか。
ひたすら自問し続ける作家もいれば、本能の赴くままにカメラを向ける作家もいる。
作品も(見ていないのだけど)、賛否両論どころか、絶賛と罵倒だったと言います。

被災地でも当然、彼らは歓迎されない。
ガレキを投げつけられ、それでも撮らなきゃいけないんだ、と叫び返す。

読みながら、16年ほど前にサラエボで、銃弾で穴だらけになった廃屋を見て、
カメラをカバンにしまった自分がいたのを思い出しました。
ドキュメンタリーというのは特殊な撮影だと思うのです。
僕は、役者にはカメラを向けられるけれど、一般人には無理だ、と思いました。

1/4 の奇跡

『1/4 の奇跡』
入江 富美子 著
2007年 三五館

主婦が思い立って作り始めた映画のドキュメント本です。
ある日、ふとひらめいたコンセプトを
なんとか映画作品にしようと奮闘し、実現する過程を描きます。

映画の構図とかカメラの機能とか照明についてなどは一言も書かれていません。

でも、これはまさしく、映画の作り方が書かれている本です。
映画学校では学べない、映画の作り方が書かれている本です。
(1)どーしても作りたいものがあって、それを現実にしていく。
(2)映画の作り方を学んで、作っていく。
個人映画の魅力は(1)にあると思うんです。

読んでて、すごくいい言葉がありました。
「(夢中になっている時って)できない理由を探さないんですね」

日本映画のヒット力 なぜ日本映画は儲かるようになったか

『日本映画のヒット力 なぜ日本映画は儲かるようになったか』
大高宏雄 著
2007年 武田ランダムハウスジャパン

邦画に焦点を当て、その歴史背景、現在(出版時点)の状況、
製作会社や配給会社の手法やプロデューサーたちのインタビューまで、
幅広く論じている本です。

歴史背景はよくある内容。
本自体が古いので、状況自体は参考にならない。
また、全体的にTV局の力がすごい、という雰囲気を感じました。
もちろん否定はしませんが、今はインターネットの影響も計りしれません。

とは言え、
やはり後半のプロデューサーたちの言葉は面白いのです。
それは、彼らはそれぞれの経験則から「こうやって映画を当てる」という
手管を持っているということ。

もちろん、予想外の当たり外れは当然ありますが、
それでも数本単位で見ると、見込みというものがある。

以前、ある映画の宣伝プロデューサーさんが、
「映画は決して、水ものなんかではない」とおっしゃってたのが
印象に残っています。

ハリウッド大作映画の作り方

『ハリウッド大作映画の作り方』
ハイパープレス 編
2001年 光文社

ハリウッド映画が作られていく過程を、
企画から上映・配給まで、
そしてプロデューサーから宣伝・エキストラまで、
じっくり紹介していきます。

映画制作についてよく知っている人にとっては、
びっくりするようなネタは揃ってないかもしれませんが、
頭の整理にはぴったりです。

もちろん、知らない人にとっては参考になる一冊です。

人を惹きつける技術

『人を惹きつける技術』
小池 一夫 著
2010年 講談社

子連れ狼の原作者、小池一夫によるキャラクター作りの本です。
軽い本だと思って読み始めたものの、これが面白い。

「キャラが起つ」という言葉を作ったのは彼なのだそうです。

「主人公には弱点を、ライバルには欠点をつけろ」や、
キャラを引き立てる三原則など。
シナリオの書き方の本棚に並べることにしました。

しかしタイトルがもったいない。
自己啓発書っぽい。
もっとストーリーを作る人向けのタイトルにすべきだと思います。

鈴木敏夫のジブリマジック

『鈴木敏夫のジブリマジック』
梶山 寿子 著
2009年 日本経済新聞出版社

言うまでもない、スタジオジブリの本です。
言うまでもない、ジブリのプロデューサーの本です。

ナウシカからポニョ、ゲド戦記まで、歴史を追いながら、ジブリと鈴木敏夫について論じていきます。
宮崎駿論ではなく、鈴木敏夫伝であるところが面白い。

これは完全にプロデューサーの本と言っていいでしょう。
鈴木敏夫が、どう「鈴木組」を作っているのか、人との付き合い方、交渉術はどうなのか。
非常に参考になり、真似できるところ、できないところもある。

特に、監督との付き合い方の部分は興味深かったですね。
親友だと言う押井守監督の言葉が印象に残りました。
「僕たちも自分の作品が全部分かっているわけじゃない。だからこそ、(プロデューサーには)作り手を説得するくらい、自分の言葉で強力に語ってほしい」

彼の話し方、人とのやり取りは、ポッドキャスティング“鈴木敏夫のジブリ汗まみれ”で聞くことができます。

スター発見! ハリウッドNo.1キャスティング・ディレクターが語るトップスターの選び方

『スター発見! ハリウッドNo.1キャスティング・ディレクターが語るトップスターの選び方』
ジャネット・ハーシェンソン,ジェーン・ジェンキンス 著
奈良橋陽子 監修,永田真弓 翻訳
2009年 ブルース・インターアクションズ

ハリウッドのキャスティング・ディレクターが語る、映画の配役について書かれた本です。
これまた面白い本を発見しました。

美男だからいい、美女だからいい、というわけでもなく、いかにその脚本のその役に当てはまるかどうか。
そして、数々の役者さんたちの組み合わせにおいてその役者がいいのかどうか。
キャスティングの始まりから選び方、監督への推薦など、400ページに渡って事細かに解説します。

「主演俳優・性格俳優」「有名俳優・スター・スーパースター…」などの細かい区分も面白い。
『ダ・ヴィンチ・コード』や『ハリ—・ポッター』といった比較的最近の映画が取りあげられているのもよかった。

メイキング・オブ・ピクサー—創造力をつくった人々

『メイキング・オブ・ピクサー—創造力をつくった人々』
デイヴィッド A.プライス 著/櫻井 祐子 訳
2009年 早川書房

僕の敬愛するクリエイティブ組織「ピクサー」ができあがっていく歴史を
かなり詳しくまとめた本です。
読み応えがあります。

ピクサー解説本を読むのは3冊目。
この中で、一番分厚く、ピクサーの歴史に焦点が当てられています。

組織論は特に書かれておらず、比較的淡々と、社史のような形でつづっていく。

ピクサーという理想的な環境も、できあがるまでに相当な回り道をしてきたのだとため息。

そして、これだけの不遇な状況で、多くの人が夢を捨てずにまとまっているのは、
やはりすごいことだと思うのです。