カテゴリー別アーカイブ: 上映・公開

ビデオグラファーの制作術

『一人で質の高い映像作品を作る!
 ビデオグラファーの制作術』
岸本 康 著
2015年 玄光社

とてもいい本を見つけました。

一人で映画を作るための、
そしてちょっとレベルが上の映像を目指すための、
事細かい情報が満載です。

が!
お断りをしておきます。

すでに数本、自分で作ってみた人だけが読んでください。
何作品が作ってみて、自分の経験や機材と照らし合わせながら読むととても役に立つ本です。

まったく経験のない、仲間もいない、
頭でっかちの状態でこれを読むと・・・

さらに頭でっかちになります。

そして、映画制作がスタート不可能な状態に陥る可能性があります。
それだけ、細かい情報が充実しています。

豊富な情報というのは、諸刃の剣ですね。

映画館の入場料金は、なぜ1800円なのか?

『映画館の入場料金は、なぜ1800円なのか?』
斉藤守彦 著
2009年 ダイヤモンド社

映画の配給・興行の歴史をひもといていき、映画の入場料金の経緯を追って行く本。

年代別の興行収益、なんていうのはよく本に出てますが、入場料金という視点での変遷は珍しいです。
そういえば、僕が高校生の頃(20年前)から考えると、映画の料金はときどき変わっている気がしますね。

著者は、「映画館は観客の味方であるべき」という視点で業界構造に切り込んで論じていきます。
映画を作る人もいれば、買ったり売ったりする人、そして見せる人もいる。
それぞれ、違った仕事なのだと理解できます。

映画業界の、「見せる」ことに興味ある人は抑えておきたい内容でしょう。
最後の、映画館チェックリスト100もおもしろいです。

体感ヤマガタ

『体感ヤマガタ』
川島信治 著
2009年 三帆舎

山形国際ドキュメンタリー映画祭の20年を追った、この本自体もドキュメンタリーです。
しかし、ドキュメンタリーって難しいなあと思うんです。

背景となる歴史、深い洞察、興味を引く切り口・・といったものが求められるわけです。
それを、テーマに沿って描いていく。
事実をまとめる、過剰な演出をしない。
ストーリーとして起伏があったり面白おかしく見せられるわけでもない。

よほど、主題が興味深く、相手を惹きつけるものである必要があるんですね。
そうなると、主題探しが一番重要であり、主題との関係性がすべて、とも言えます。

とにかく、あらゆるジャンル、文化にまつわる作品があるのだと思う。
それらの作品が、審査に通り、上映されてきた。

何がいい作品なのか、という基準が、著者の好みである、というのも気になりました。
つくづく、ドキュメンタリーって難しい。

ドキュメンタリー作品ってどんなものがあるのか、
それを知るだけでも一読の価値はある本です。

映画館のまわし者

『映画館のまわし者』
荒島晃宏 著
2011年 近代映画社

現役の映写技師による、エッセイです。
開映(と言うらしい)準備から上映、片付け、終映までを丁寧に追っていきます。
上映中のことや、休憩時間、トラブル・事故なども興味深いですねー。

映写機の操作方法なども写真付きで載っていますが、これは正直、伝わりづらい。
映画を見ているときは意識しないものの、
映画ってひとが操作しているんだなあ、と考えさせられる本です。

○映画を観るには、映写室が一番いいらしい。
○著者は、以前は前から4列目、と決めていたとのことだが、
コロシアム風に階段状になっているシネコンでは、真ん中くらいもいいらしい。
ただ、著者オススメは、一番後ろ。映写室に一番近い場所、とのこと。

「やがて無くなっていく仕事なんだ」
この言葉が、なんだかジンと来ました。

映画バカ111日にっぽん旅行記

『映画バカ111日にっぽん旅行記』
ユリ・ヨシムラ・ガニオン 著
宮平貴子 ブログテキスト
2011年 かもがわ出版

映画『アンをさがして』の日本全国上映行脚の旅をつづるドキュメンタリー本です。
資金集めから映画製作の背景、監督やスタッフとのやりとりも合間合間に描かれていきます。

映画って、作るのも大変だけど、それを見てもらうのも資金を回収するのもさらに大変。
一般的には、映画は配給網を通したり、自主上映を開催することで終わりがちだけど、
それをこうやって、自分から動いて自分で行商していく。

椎名誠もやっていたけれど、憧れるスタイルだなあ。
かなり大変そうだけど、得るものはものすごいんだと思う。

1/4 の奇跡

『1/4 の奇跡』
入江 富美子 著
2007年 三五館

主婦が思い立って作り始めた映画のドキュメント本です。
ある日、ふとひらめいたコンセプトを
なんとか映画作品にしようと奮闘し、実現する過程を描きます。

映画の構図とかカメラの機能とか照明についてなどは一言も書かれていません。

でも、これはまさしく、映画の作り方が書かれている本です。
映画学校では学べない、映画の作り方が書かれている本です。
(1)どーしても作りたいものがあって、それを現実にしていく。
(2)映画の作り方を学んで、作っていく。
個人映画の魅力は(1)にあると思うんです。

読んでて、すごくいい言葉がありました。
「(夢中になっている時って)できない理由を探さないんですね」

ミニシアター巡礼

『ミニシアター巡礼』
代島治彦 著
2011年 大月書店

BOX東中野を作り、そして潰してしまった著者が、
日本各地のミニシアターを回り、そしてその運営者に話を聞いてきます。

映画を「見せる」という視点で活動を続ける人々の
ドキュメンタリーでもあり、どこか哀しみを背負った著者の
まさに巡礼記でもあるのです。

「作りたい!」だけでなく「見せたい!」という欲求。
こんな興行主さんたちの意見のまた、貴重なものです。

フィルムコミッションガイド

『フィルムコミッションガイド』

長島一由 著
2007年 WAVE出版

あらゆるロケの誘致、便宜を図るなど、撮影が円滑に進む段取りをする団体、
それがフィルムコミッションです。

これが全国にあり、地方自治と結びついている。
地方の自立と、映画産業と、地元の活性化が目的の根底にある。。
あまり広く知られていないフィルムコミッションについて、
いろんな事例をふまえてまとめている本です。

各地の映画祭がロケ誘致をしたいと思いつつ、
でもそこには様々な人間らしい衝突があったりするんですね。

これまでの各地の問題点をまとめた表も出てきます。
そのほとんどが「時間がオーバーする」だという事実。

自主映画についても一部言及されていて、これは気になるところですね。
基本的にウェルカムなものの、スケジュールや金銭面で
なかなか現実的ではない、というのもうなづけます。
自主映画団体が利用する場合も、かなりしっかり組織化された団体でないと厳しいだろうと思います。

個人的には、逗子でフィルムコミッションが動いた収支報告書が興味深かったです。

 

字幕の中に人生

『字幕の中に人生』
戸田 奈津子 著
1994年 白水社

著者については、説明は必要ないでしょう。
何度、映画のエンドロールの最後に名前を見たことか。

この本は確か、発売してすぐに本屋に買いに行った覚えがあります。
著者が、字幕の世界に入るまでの人生を描いた本です。

自分も、映画の中に人生を見つけたくて、
映画の中に自分の居場所を探したくて、
むさぼるように一気に読みました。

以来ずっと、僕は映画を作る状況に身を置いています。

こういった本は実用書ではなく、
でもどこか間接的に、読む人の無意識に、
静かに影響していく本だと思うのです。

映画にしくまれたカミの見えざる手

『映画にしくまれたカミの見えざる手』
谷國 大輔 著
2009年 講談社プラスアルファ新書

旅先の本屋さんで平積みになっていて、
パラパラとめくってすぐにレジに持って行きました。

友情出演の意味、映画の長さについて、映画俳優とテレビ俳優の違い、
格安DVDの存在、権利ビジネスの複雑さ、ロケ地誘致のせめぎあい…

映画を取り巻く産業について知ることで、
映画作りがより身近になっていきます。