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映画のようなデジタルムービー表現術

『映画のようなデジタルムービー表現術』
ふるいちやすし 著
島内哲朗 訳
2013年 玄光社MOOK

この本はですね、初心者は読んではダメな本です。
映画を作ったことがない人にオススメしない、
ものすごくいい本なのです。

デジタル一眼レフを使って、
いかに映画っぽい映像を仕上げるかについて、
大量の事例とカラー写真を使って解説しています。

僕なんて見ているだけでドキドキします。
個人で映画を作りたい人が求めている本です。
他になかなかない、素晴らしい本だと思います。

でもねえ・・・
こういったことにこだわり始めると、
経験の少ない個人の映画は進まないですよ。
満足いくスタッフも集めるのは難しいでしょう。

まとめです。

多分、買っておくといいでしょう。
勉強したい人は満足します。

でも同時に、あまり頼り切らずに
どんどん撮り続けましょう。

でも、
★カルフ文庫認定!

1人でできる! 3日で完成! 事例で学ぶ1分間PR動画ラクラク作成ハンドブック

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『1人でできる! 3日で完成! 事例で学ぶ1分間PR動画ラクラク作成ハンドブック』
渡川修一 小西イサオ 著
2016年 ペンコム

実は、カルフ主宰者による、初の著書です!!

ビジネスで動画を使いたい、
超初心者に向けて書いた動画の教科書です。

最低限の機材を使って、
隣に本を置いて、最初から順番に沿って真似ていけば、
1分間PR動画が出来上がるという仕組みになっています。

流行りのテクニックや機材にとらわれない、
長く使えるノウハウが満載の本です!

じゃ、やってみれば

『じゃ、やってみれば』
阿部秀司 著
2012年 日本実業出版社

★カルフ文庫認定
ROBOT創業者で映画プロデューサー、阿部秀司氏の映画制作論です。
映画プロデューサーの本の中でダントツによかった!

映画を生み出すこと、そして結果を出し続けること。
そのために考えていることをエッセイ風につづっていきます。

いくつか抜粋。

●監督は性格で選ぶ。
●シナリオを選ぶ時は3つのことを考えている。
・頭の中に具体的な絵が浮かぶか
・セリフが自然か
・ディテールまで考え抜かれているか
●映画に対する思い入れと、映画をビジネスとしてとらえる客観性の両面。
冒険だけだとダメだが、冒険をしないようでもダメ。
ビジネスを意識してマーケットを考え、リスクを減らしつつチャレンジする。
いわば”情熱と冷静”の両輪、矛盾を超えてヒットは生まれる。

余談ですが、数年前に仕事で、恵比寿にあるROBOTに伺ったことがあります。
ちょうど、『つみきのいえ』がオスカーを穫った年。
受付にオスカー像が鎮座していて、持って写真を撮らせてもらいました。
ずしりと、重かったです。

映画もまた編集である

『映画もまた編集である』
マイケル・オンダーチェ 著/吉田俊太郎 訳
2011年 みすず書房

★カルフ文庫認定!!

ずっと前から本屋に平積みになってて知っていたのだけど、
分厚くて重い本なので、敬遠してました。
しかしこれは良本!

編集の本って、テクニックの羅列紹介の本が多いけれど、
これは編集一筋のプロの考え方を対談で紹介していく形式で書かれています。

編集と言えば映像のつなぎのこと。
・・・だけだと思ってしまいがちだけど、
かなりの割合で、サウンドの重要性も説いていきます。
いやむしろ、サウンド編集の本、と言った方がいいかもしれない。

目から鱗のネタが多かったので、その一部をご紹介します。

●映像素材にどう向き合うか、どんな構成でアプローチするかを決める。
決まらないときは後回しにして先に進む。
だから他の編集者と共同作業の時は大変。
他の編集者が何を考えてどうアプローチしているかを探っていく作業も必要。

●編集者は撮影現場に立ち会わないようにしている。
撮影で寒かったとか誰と誰が惚れた喧嘩しただとかの情報は編集作業に悪影響を及ぼす。

●セリフやサウンドで空間を作れる。
普段聞こえない小さな虫の声などを大きく入れることで、その場を強調できる。

●映画編集におけるつなぎのパターンは、登場している人物の思考パターンを反映したものと考えている。
つまり、登場人物の瞬きでカットすれば、より自然なつながりを実現出来ると考える。

本の一部ですが、自分の編集の考え方をつついてくるようなネタが満載です。
分厚い分厚いと言いつつ、1日で一気に読んじゃいました。

ただ、一つだけ大きな注意点が。
まだ映画を作ったことがない人は読まないこと。
必ず、1本以上作ったことがある人だけ読んでください。
作ったことがない人は、頭でっかちになり、さらに作るのが先に延びてしまいます。
初めての人は、こんな本を読まず、とにかく手を動かしてみることを優先すべし!

デジタル・フィルムメイキング ─新しいプロフェッショナルとは何か


『デジタル・フィルムメイキング ─新しいプロフェッショナルとは何か』
マイク・フィギス 著/栗田 豊通/藤幡 正樹/桂 英史/村上 華子
2010年 フィルムアート社

もう、黙っていられないくらい素晴らしい本です!

『カルフ映画文庫』文句なしに認定です。

結論から言います。

1、2本映画を自分で作ったことがあって、
もっといろいろ知りたいな、レベルアップしたいな、という感じの人は、
迷わずこの本を買ってください。

共感できる部分が満載で、そして著者のアドバイスで
具体的にレベルアップできます。

借りるんじゃなく、買ってください。
線を引いておくべきことがすごく多いからです。

僕はページの右上を折り曲げていたら、ほとんどのページが対象になってしまいました。

何が素晴らしいか。
それは、映画作りのきれいごとだけを並べて「いない」からです。

読みながら何度も、「そうそう」と苦笑いするような本です。

僕は映画本をかなり読んでいる方だと自負していますが、
僕の言いたいことがほとんど書かれておらず、
日頃から不満に思っていました。

そのため、そのうち自分で本を出そうと息巻いていましたが、
この本を読んで、2割くらい気持ちが落ち着きました。
(残り8割は、やはり僕が書かねばならぬと思ってます。笑)

著者の映画監督マイク・フィギスは、
『リービング・ラスベガス』でアカデミー賞にノミネートされています。

デジタルでの映画作りに早くから興味を持ち、SONY のカメラを喜んで使い倒しています。
一眼レフでの映画撮影用の機材を探している時に見つけた、
フィグ・リグという車のハンドルのような機材は、マイク・フィギスの発明だそうでびっくり。

彼は、
「自分の想像する映像を作るために既成の機材をどんどんカスタマイズする」
と書いています。

それはそうかもしれない。

その他、気に入ったところをいくつかピックアップします。
※文字通り書き写すのではなく、少し僕の言葉で書き換えています。

●撮影教育には、カメラと多くの時間を過ごすことが一番。
自分のカメラは、どうすればどんな風に撮れるのかを身体で覚えるべき。

●撮影時は、液晶の小さな画面を見る時、
その先の、大きなスクリーンで上映する時のことを想定して確認しろ。

●映画は、いろんな人を励ましたり、やる気にさせて、
自分の思い描くビジョンを共有できるようにしないと完成しない。
コピーしたり、お茶を配ったり、そういったことも、誰かがやらないといけない。

●日頃からロケ地の候補となる場所を見つけるようにして過ごすこと。
→これ、そのうちメルマガで書こうと思っていた・・

●10人くらいの所帯でも、移動がすごく大変だ。
映画で一番悩ましいのは、人が多くなってしまうことと、荷物が多くなってしまうこと。
→こういうこと、映画作りの本に書いていないのだ。ほんと。

●監督の仕事は、スタッフ全員を引っ張っていくことだ。
アーティストになりきって仕事だけすればいいんじゃない。
自分でできなければ、代わりをやってくれる優秀な助監督を見つけないといけない。
→カルフはこれを助監督に任せてます。

●ビデオは、「フィルムじゃない」。
従来の照明技術というのは、「フィルム向け」に発達してきた。
ビデオカメラは、暗い環境でも感度よく撮影できる。
だから、何でもかんでも照らすようなやり方は変えるべきだ。
→もっとも感銘を受けた個所です。

・・・なんか、長くなりそうなので止めます。
これだけ書いても、ページを折った3分の1くらいです。

映画を作ったことが無く、でもすごい作品が作れる自信のある人、
つまり、

経験<<知識

この公式が当てはまる人は、この本はNGでしょう。
多分、この本を批判すると思います。

でも、実際に作っていて、理想と現実を知っている、
つまり、

経験>>知識

という人にはまさに最適な本です。

理想はもちろん、

経験≒知識

ですけどね。

アウトプット≒インプット

と置き換えることもできます。

最後に、本の帯にもついている言葉を書き写します。
これ、ほんと金言です。

『映画を“撮らない”理由を作るな』

いやあ、いい本に出会った。

SAVE THE CAT の法則

『SAVE THE CAT の法則』
ブレイク・スナイダー 著/菊池淳子 訳
2010年 フィルムアート社

タイトルだけではいまいち伝わってきませんが、
シナリオの書き方の本です。

個人的に、こういった少々乱暴な書き方の本が好き。
これまで読んだ、海外のシナリオ本の中では一番読みやすく、
そして参考になりました。

シド・フィールドの3幕構成を採用しつつ、
その3幕構成をさらに15章に分けてシナリオを分析していきます。

自分の書くシナリオを当てはめてみて、
善し悪しをチェックしてみる本としても使える一冊です。

ドキュメンタリー;リアルワールドへ踏み込む方法

『ドキュメンタリー;リアルワールドへ踏み込む方法』
村上匡一郎 著
2006年 フィルムアート社

ドキュメンタリー本はいくつか読んできたけれど、
たいてい次の2つに分類されると思う。

○作家それぞれのドキュメンタリー撮影への想い
○ドキュメンタリーを作る方法、という名の、結局のところ映画制作方法本

この本では、この2つのいいところを混ぜてある。
非常に良本だと思う。
とくに、制作方法部分では、一般的な機材の使い方ではなく、
ドキュメンタリーのためのロングショットとアップの違い、
目的に応じたマイクの使い分け、そして「やくざを撮るには?」みたいなTips まで、
ドキュメンタリーに特化してあるのが、いい。

リハマネ!

『リハマネ!』
磯金俊一 著
2009年 プリズム

オーケストラのリハーサルをマネージメントする、
という発想で書かれた本です。

なんでオーケストラの本を?と思うかもしれませんね。
最初は、リハーサルの手法が参考になるかなと思って読んだんですね。

ところが、これがなんとびっくり!
指揮者と演奏者たちの関係が、監督と役者・スタッフのそれとまったくかぶるんです。

指揮者の想いをどう伝えるか、演奏者のバランスをどうとるか、
全体の気持ちをどう管理するか、どんな順番でリハーサルをやると効果的か、
チームの特性をどう演出するか…

映画にとっても、参考になること満載の本でした。

演技と演出

『演技と演出』
平田オリザ 著
2004年 講談社現代新書

★カルフ文庫認定!

舞台の演出家、平田オリザの本です。
映画にも通ずるところのある、「演技とは」「演出することとは」について
例を挙げてじっくり書かれています。

参考になるところのページの角を折り曲げながら読んでいたら、
かなりの数折り曲げる結果になってしまいました。

これは時々読みすべき本です。
氏の他の本も全部読もっと。

あなたの魅力を演出するちょっとしたヒント

『あなたの魅力を演出するちょっとしたヒント』
鴻上尚史:著
2000年 講談社

舞台で有名な著者の書いた、自分の身体の表現力を
バージョンアップする知恵の詰まった本です。

役者が読むのがベストな気もしますが、
僕は、監督の演出方法の一つとして読みました。

かれこれ数回読んでますね。
この本を読んだ後から、僕の演出方法が少し変わりました。

「もっと悲しそうに!」みたいなかけ声だったのが、
「お腹の下辺りに力を入れてこっちの方を見てセリフを言って」
といった具合に、役者の表現力を若干調整するような話し方に変わったんです。

同時に、自分自身の話し方も変えました。
スタッフや役者が多く集まる撮影現場で、
やはり監督らしく締める所は締めないといけません。

僕自身も、時々演じてるんですよね。