311を撮る

『311を撮る』
森達也/綿井健陽/松林要樹/安岡卓治 著
2012年 岩波書店

森達也など映像作家4人が、東日本大震災の被災地でロケをした
ドキュメンタリー映画の舞台裏をそれぞれ語る本です。
4人それぞれ、自分の想いを持って被災地へ向かっている様子が読めます。

この本は、映像制作の本だけど技術論などは一切出てきません。
自分が撮りたいものは何なのか、なぜ撮るのか。
ひたすら自問し続ける作家もいれば、本能の赴くままにカメラを向ける作家もいる。
作品も(見ていないのだけど)、賛否両論どころか、絶賛と罵倒だったと言います。

被災地でも当然、彼らは歓迎されない。
ガレキを投げつけられ、それでも撮らなきゃいけないんだ、と叫び返す。

読みながら、16年ほど前にサラエボで、銃弾で穴だらけになった廃屋を見て、
カメラをカバンにしまった自分がいたのを思い出しました。
ドキュメンタリーというのは特殊な撮影だと思うのです。
僕は、役者にはカメラを向けられるけれど、一般人には無理だ、と思いました。