映画もまた編集である

『映画もまた編集である』
マイケル・オンダーチェ 著/吉田俊太郎 訳
2011年 みすず書房

★カルフ文庫認定!!

ずっと前から本屋に平積みになってて知っていたのだけど、
分厚くて重い本なので、敬遠してました。
しかしこれは良本!

編集の本って、テクニックの羅列紹介の本が多いけれど、
これは編集一筋のプロの考え方を対談で紹介していく形式で書かれています。

編集と言えば映像のつなぎのこと。
・・・だけだと思ってしまいがちだけど、
かなりの割合で、サウンドの重要性も説いていきます。
いやむしろ、サウンド編集の本、と言った方がいいかもしれない。

目から鱗のネタが多かったので、その一部をご紹介します。

●映像素材にどう向き合うか、どんな構成でアプローチするかを決める。
決まらないときは後回しにして先に進む。
だから他の編集者と共同作業の時は大変。
他の編集者が何を考えてどうアプローチしているかを探っていく作業も必要。

●編集者は撮影現場に立ち会わないようにしている。
撮影で寒かったとか誰と誰が惚れた喧嘩しただとかの情報は編集作業に悪影響を及ぼす。

●セリフやサウンドで空間を作れる。
普段聞こえない小さな虫の声などを大きく入れることで、その場を強調できる。

●映画編集におけるつなぎのパターンは、登場している人物の思考パターンを反映したものと考えている。
つまり、登場人物の瞬きでカットすれば、より自然なつながりを実現出来ると考える。

本の一部ですが、自分の編集の考え方をつついてくるようなネタが満載です。
分厚い分厚いと言いつつ、1日で一気に読んじゃいました。

ただ、一つだけ大きな注意点が。
まだ映画を作ったことがない人は読まないこと。
必ず、1本以上作ったことがある人だけ読んでください。
作ったことがない人は、頭でっかちになり、さらに作るのが先に延びてしまいます。
初めての人は、こんな本を読まず、とにかく手を動かしてみることを優先すべし!