『映像編集者のリアル』
2018年 玄光社
現役で映画やアニメの編集を担当する、
映像編集者のインタビュー集。
ちょっと珍しい本ですね。
監督と編集者の関係に始まり、
それぞれ何の編集ソフトを使っているのか、
またどうやって今の仕事に就いたかまで、
興味深く読みました。
ちなみに、共通した編集ソフトは、
Avid、Premiere Pro、Final Cut Pro。
最後に登場する、実際の編集ソフトの画面が新鮮でした。
他人の編集した画面を見ることってないですからね。
7人のインタビューからいくつか抜粋してみます。
・監督と編集マンは、気が合うかどうか。
映画はもちろん、音楽や漫画の嗜好が近いのは大きい。
・役者の心情が理解できなくて、なかなか編集方針が定まらないこともある。
・絵コンテ通りにつなげるだけと思われるけど、そのままつなげてもうまくいかないこともある。
・カットを削るだけでなく、足すこともある。間合いを伸ばしたり。
・組む監督によって編集スタイルが全然違う。
編集者に委ねてくれる監督と、委ねてくれない監督がいる。
・原作があっても読まないようにしている。結局、スクリーンに映ってるもので勝負しなきゃいけないから。
・まず自分の好きなようにつないでみて、監督の指示と答え合わせをする。
・気持ちの良い余韻や間は、監督によって個人差がすこくある。組む監督の感覚を探りながら進める。
・ぶっ続けで編集していると、ストーリーが分かってしまっているので、必要なところも削ってしまう。初めて見る人の視点に立たないといけない。