低予算の超・映画制作術


『低予算の超・映画制作術』
曽根剛 著
2020年 玄光社

映画『カメラを止めるな!』の撮影監督による、
カメ止めのメイキングを通した映画制作本です。

この映画を見ていればもちろんのこと、
これだけ詳細な映画制作の内容はなかなかないと思いました。
使った機材一つ一つ紹介してあるんですから。

また素晴らしいのは、制作についてだけじゃなく、
「公開方法」についても詳説があること。
今の時代らしい方法で、これは貴重!

さらに、本書は、具体的なお金の金額が随所に飛び出します。
映画とお金の話をここまで赤裸々に書いてるのも珍しい。

実は著者の曽根さん、以前現場でご一緒したことがあって、
そういう意味でもニヤニヤと読んでしまいました。

いくつか抜粋してみます。

・3幕構成で書くのが通例。各幕の時間配分は決まっていて、そのルールに従って劇中で何か事件を起こしたりするように構成していく。
・低予算長編の撮影スケジュールは平均して3〜6日。3日しかないなら、3日で撮れる脚本を書かなければならない。
・自主制作映画は依頼を受けずに自主的に作るもの。予算以外の理由で頓挫することも多い。その多くが、監督のモチベーションの枯渇だ。
・映像業界で一つの仕事だけを専門的に極めていくことのリスクを感じる。

著者の海外での映画撮影現場の話、
他の「低予算」の制作の話など、かなり面白く読めます。

特定の作品を解説しているため、好きとか面白くないとか感情が入りがちですが、
この本はメイキング以外の部分が秀逸です。

ずっと本棚に置いとこうと思った本でした。