ビリー・ワイルダーの映画作法

『ビリー・ワイルダーの映画作法』
瀬川裕司 著
2012年 明治大学出版会

自作の脚本も監督も担当するビリー・ワイルダーの技法を、
いかに、一つ一つの行動やセリフが次への伏線になっているかに着目して追っていく本です。
読んでいると、ビリー・ワイルダー作品が、機械じかけに思えてくるから不思議。
設定が物語を進めていくのです。

面白かった箇所を抜粋します。

●ストーリー内で30分が過ぎる毎にカッコー時計がが作動し、
映画が後半に向かうほどその間隔が短く表現される。
それにより、状況が緊迫していく。

●ワイルダーは、映画で描く日時は切り詰めることを好む。
何週間にも渡る出来事をじっくり描くことをせず、さっとながす。
出会って、すぐに結婚後のストーリーが始まる、と言った具合に。
大事な局面を、あえて観客の想像力にゆだねている。

●小道具を効果的に使う作家である。
電話、タバコ、マティーニ、階段、変装、など。
その使い方を駆使している。

全体的にワイルダーファンしか面白くないと思われる部分もあるけれど、
第7章「ファンを惹きつけるおなじみの要素」だけ読むのも参考になります。