『ジョン・ウォーターズの悪趣味映画作法』
ジョン・ウォーターズ 著/柳下毅一郎 訳
2004年 青土社
実は見たことはないけれど、ジョン・ウォーターズはとにかくひどい映画を作っているようなのです。
驚くことに、見たことがないはずなのに、役者ディヴァインの名前も容姿も知っている、ということ。
この本は、監督の自伝、作品の回顧録です。
ティム・バートンと同じく、個人的な趣味趣向がマーケティング的に受け入れられたタイプですね。
決して映画の作り方について書かれた高尚な本ではありません。
むしろ、頭の中に浮かんでくる映像から目を背ける描写もありました。
でもその中で、これはと思った箇所を抜粋してみます。
●常に観客を集めること。お金がかけられないのなら、金をかけた映画でできないことをやる。
●映画学科の学生はいつも技術面ばかりを考えて過ちをおかす。観客は、ストーリーをきちんと語る脚本と、見て楽しい役者を求めているのだ。
役者の容姿についての監督のコメントはちょっと新鮮でした。
「容姿がひどければひどいほど映画界で成功できる。ハンサムは掃いて捨てるほどいるから」