「いい写真」はどうすれば撮れるのか?

02撮影

『「いい写真」はどうすれば撮れるのか?』
中西祐介 著
2016年 技術評論社

プロのカメラマンによる写真の撮り方本。
この類の本は、「アーティスティックなプロの理論や作品集」か
「初心者向けの設定やテクニック本」のどちらかに偏ることが多い気がします。
しかし本書は、見た瞬間に「違う」と思いました。

どう感じるか。そこからスタートする写真本です。
「きれい」「かっこいい」「おいしそう」「かわいい」「うれしい」というテーマ別に、被写体に対し、いろんな角度から撮って比較しているのも分かりやすいですね。

考え方、にフォーカスを当て、シチュエーション別に著者がどんなことを考えているのかを丁寧に文章化しています。その上で、カメラの設定の話に移る。

なるほどなと思った点をピックアップします。

・「何に向き合い、何を感じて、どのタイミングで撮るのか」は、どんな高性能なカメラも教えてくれない。

・「いい写真は何か?」と言う答えは一人一人の心の中にある。

・スポーツを撮るときは、ルールを知って選手の動きの流れを把握することが、どんな撮影テクニックよりも大事。

・「透明感」とは、「透明である」という事実ではなく、「透き通っているように感じる」こと。自分がどう感じたのかが、写真の出来栄えを変えていく。

・撮影までの想像と準備が勝敗を分ける。

特に、著者が撮る前に「ここからこう撮りたい」と決めてから作業に取り掛かるものがたりに共感しました。
「写真」の本ではあるものの、一眼レフで映像を撮る人には、そのまま参考になるでしょう。

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