『ヒッチコック『裏窓』ミステリの映画学』
加藤 幹郎 著
2005年 みすず書房
「事件は無事解決、映画は大団円へ。
いや、男は本当に妻を殺害したのでしょうか?」
刺激的なコピー文に釣られて読みました。
『裏窓』という作品を分析し、
その裏に隠されたヒッチコックのメッセージや意図を読み取って行きます。
指摘は、ハッとさせられるもの。
シンプルなミステリと見ていた『裏窓』が、
実は主人公の結婚観、そして人生観から生み出された
“空想”“幻想”ではないかと分析します。
この著者の分析が正しいのかどうか、というのは
正直どうでもいいでしょう。
名作というのは、ここまで奥深いものになりえるということに
改めて感銘を受けることになりました。
翻って、
自分の作る作品は、果たしてどのくらいの奥行きがあるのか。
こういった本を読みながら、一度考えてみるのもいいでしょう。
Bitly