『シナリオ無頼 祭りは終わらない』
中島丈博 著
2010年 中公新書
脚本家、中島丈博の本です。
「シナリオライター」ではなく「脚本家」とあえて書きたい。
しみじみと読み終わった本でした。
これぞ、脚本の書き方だ、と思ったからです。
この本は、脚本のフォーマットだとか、表現方法だとかには一切触れていません。
ただただ、著者の反省をつづっていく内容です。
でもこれが、僕にはすごく沁みました。
時代背景も古く、今求められるものとも大きく違う。
でも、田舎から都会に出て来たときの不安とか、業界に身を置いたときの周りとの距離のとりかたとか、気に入らない時のケンカの仕方だとか・・・
人と人は、まったく変わらないなあと思うのです。
脚本には、書き手が乗り移る。
書き手の人生から離れられない。
そんなことを考えた本でした。