絵を描くように映画を撮る。

01企画・準備

『絵を描くように映画を撮る。』
ふるいちやすし 著
2022年 玄光社

映画作家による映画の作り方本です。
副題に”超インディペンデント映画術”とありますが、これは”俺流映画の作り方”という意味ではないでしょうか。
本書は一般的なテクニック本ではなく、著者の考え方・ものの見方を追体験する本だと思います。

例えば、「このレンズがいい」というようなことは書かれていません。
「まずこのあたりのレンズを使って自分の感じ方を確かめ」て、「そうやって自分の好みを探って」いく、という感じ。

「正解はない」と著者は言い切ります。
その上で、「自分なりのスタイルを作ろう」と言います。

予定管理なども、クラウドを活用しようと。
それが苦手なスタッフもいるだろうけど、手取り足取り教えてでも身につけてもらう。
それもまた、映画を作る技術だ、と。

その他、
・撮影現場では、雰囲気をコントロールするのも、監督の仕事。
・絵は超苦手だが、簡単でも絵コンテは必ず描くようにしている。小さな時間のロスが大きな無駄につながるから。
・撮影から編集、音楽まですべてを一人の美意識で統一することができるのは小さなチームの魅力。
など、著者の言葉が綴られていきます。

本書には「トレーニングを積む」という言葉がよく出てきます。
著者も、いろんなものを試しながら、そして実際に経験を積みながら自分の表現を探っていってる様子が伝わってきました。
タイトルの「絵を描くように」というのがこの辺りなんだと思います。

読んでるうちに、僕もまた一本、作りたくなってきました。

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