清涼院流水の小説作法

シナリオ

『清涼院流水の小説作法』
清涼院流水 著
2011年 PHPエディターズ・グループ

僕はものづくりのノウハウを様々なメディアから取り入れています。
小説はその最たるもの。

幅広い作風を持つ著者の手法を知りたくて読み始めましたが、期待通りの面白さでした。
いくつか抜粋してみます。

・追いかけるテーマとジャンルを混同してはいけない。
例えば「ミステリー」はテーマというよりジャンル。目的ではなく手段。

・夢を語ると否定する人が現れる。勇敢な朝鮮にブレーキをかけるのはいつでも常識。
常識に縛られている限り、自分の能力未満のことしかできない。

・魅力的な人物を描ければ、ストーリーが退屈になる心配とは無縁です。
生き生きとした人物を描くには、日頃から人間観察に注意を払い、できるだけいろんな人間のタイプを知っておくこと。

・うまく書けなくなる壁にぶつかった時に有効なのは、自分が好きな作品や影響を受けた作品一部分を書き写してみるトレーニング方法です。

・長編を書くときは、ストーリーのあらすじを書き出した後、場面に分割すれば書きやすい。

・スランプの時ほど、冷静に自分の状況を見つめて原因を分析する。

著者は、世界最長のミステリーを目指したり、12ヶ月連続刊行に挑戦したりと、発想も行動も面白い人物です。
最後に「職業作家になること」という章があり、リアルな著者の体験談も綴られています。

本書を読み終わって感じたのは、「小説を書くノウハウ」というより、「小説家という著者なりの生き方」でした。
常に新しいことに挑戦し続ける姿勢は、ぜひ真似したいと思います。

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