『映画の巨人たち スタンリー・キューブリック』
佐野享 編
2020年 辰巳出版
著名な映画監督を、評論家など様々な人が掘り下げるシリーズの一冊。
僕は『シャイニング』が怖くて好きで、数年に一度繰り返し見る映画となっています。
本書では、監督の生い立ち、これまでのフィルモグラフィーはもちろん、
いろんなエピソードや過去の発言なども取りあげます。
個人的には、彼の出自は写真だった、というのは発見でした。
写真の構図を映画に持ち込んだ、と。
いくつか気になった文章をピックアップします。
・彼の核は、アマチュアであった時代に、その当初から既に確固とした形で作られていた
・「私は編集が好きだ。編集に先立つすべてのことは、単に編集用のフィルムを作り出す作業でしかない」
・「他人の書いたストーリーだと、客観的にその善し悪しを判断できるが、自分で書いたらその判断は難しい」
・「斬新な様式を生み出すことに熱意を傾けるのは無駄なことだと思う」
いろんな人がいろいろ語るわけですが、
すごいなと思うのは、どの作品もこれだけいろんな解釈なコメントができること。
自分の考えや印象と比較してみると面白いと思います。
メイキング写真や作中のカットも満載で、
キューブリック好きならば楽しめる内容でしょう。