『映画脚本の教科書 プロが教えるシナリオのコツ』
衣笠竜屯 監修2022年
メイツユニバーサルコンテンツ
神戸で長年、映画作り指導をする著者のシナリオ教本です。「主人公の変化を物語づくりのきっかけにする」を軸に、脚本/シナリオづくりのあれこれを細かく詰め込んでいます。
起承転結、三幕構成、序破急などの型を紹介したり、
物語に引き込むきっかけとして、省略を使いこなす、じらす・びっくりさせる、などのスキルを使ったり、セリフを削る、結果の映像だけ見せて観客に想像させる、などのテクニックを紹介したり。
すでにイメージがある人、何をしたらいいかわからない人、頭で理解してからじゃないと書けない人など、タイプ別の本書の活用法、が最初にまとめられてたのはよいですね。物語作りが、理論的なものであること、がよくわかる内容になっています。
コラム蘭もおもしろい。
・テレビドラマはながら見が多いので、映像だけでわかる内容もセリフで説明したり。一方、集中して見る映画は、映像のみで分かることはセリフにしない。
・映画脚本を作る時は、映画化するのに実現可能な設定にしよう。
・脚本づくりは「取材4:執筆2:改稿4」くらいの配分かな。
本書のいいところは、シナリオを書くことだけが目的ではなく、映画化のための、シナリオの書き方であること。
「あなたがいま書いているものは、観客の心に届いてようやく完成する。あなたの努力のすべては、そのためだ。」
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