『ギレルモ・デル・トロ創作ノート』
ギレルモ・デル・トロ 著
2018年 DU BOOKS
SFファンタジー映画で有名になった著者が、自分の創作について紹介、解説する分厚い大型本。
イラストが満載だけど、同時に文章も多く、創作というのは作者にとっては解説できるものだとわかります。
映画監督は、「これってなぜこう撮ったの?」に、めちゃくちゃ長々と解説ができるわけです。
幼少期のこと、映画監督になるまでのこと、仕事について。創作ノート=彼自身のこと、なんでしょう。
彼は「荒凉舘」という別宅を持っていて、写真を見ると、ちょっとした怪奇博物館のようです。
テイストは僕の好みではないけれど、こういう場所を持ってるのはとても羨ましい。
昭和生まれの僕からすると、昔なら、エイリアンを生み出したデザイナー、H・R・ギーガーを思い出します。ティム・バートン監督も独自のデザインセンスを持っています。パッと見て他と違うのがわかるセンス。
写真だけでなく、インタビューや対談部分も読み応えがあります。
「監督の仕事は、編成して調和をとること。つまり、映像や音のみならず、人材をも考え配置することなんだ」
「監督は、天候、スケジュール、予算はもちろんのこと、俳優が急病を患うという事態でも妥協点を探さなきゃいけない」
「創作ノートは、通信販売のカタログみたいに、アイデアが必要なときにページを開く、アイデアの目録なんだ」
「(絵コンテは)ざっくりと描かれただけのものでも、そのフレームをどんなふうに見せたいか相手に伝えられる。つまり、スタッフと各シーンの構成を共有することができるんだ」
「撮影時にも絵コンテ(いたずら書き)を使う。紙の上に並んでいる展開を眺めてみて、このシーンは後回しにしてこっちを先に撮ろうとか決めるんだよ時間がないときには特に有効だ」
彼の創作メモ、絵コンテには、絵と共に文字もびっしりと書かれているのが特徴的です。
※まるで絵手紙みたい
個人的に、絵コンテのことを「いたずら書き」と訳しているのが秀逸だと思いました。
映画というのが、一直線にできあがっていくものではなく、日頃からの積み重ねであることが伝わる一冊でした。
彼の映画のファンにはたまらない内容でしょう。
