徹夜しないで人の2倍仕事をする技術/三田流マンガ論

08ビジネス用途

『徹夜しないで人の2倍仕事をする技術/三田流マンガ論』
三田紀房 著
2017年 コルク Kindle版

マンガ『ドラゴン桜』などで有名な著者によるビジネス書です。
正直絵はあまり好きじゃないのだけど、気づけば著者のマンガは次々と読んでしまっていました。
氏の仕事術、考え方が知りたくて読んでみたわけです。

ところが、内容は意外や意外、映画作りにも通じる部分が多く、これはぜひ紹介したいと思いました。
長年にわたってしっかりと結果を出している著者の意見は説得力があると思います。

以下、気になった部分を一部抜粋します。

●絵を配置していくコマ割りも、凝った手法を使うと才気走って見えるが、読者にストーリーを伝える上でそんなに効果があるわけではない。
シンプルに置いていく方が読みやすく、流行に左右されない。

ニーズと関係ない単なる自己満足のために複雑な手法に手を出して、時間をかけるのはムダなことだ。

●マンガ家になるのは狭き門だと思っている人が多いが、実は常に新人を募集している。入り口は常に開かれている。やるだけだ。

マンガ家は人気商売だ。描き続けるために絶対に必要なのが、「編集者が乗ってくる面白い企画を立てること」。
企画というと、大体の人は大きなテーマから入りたがる。「戦争の悲惨さ」とか。
(中略)私の場合、針の穴理論を使う。針の穴くらい狭いところにテーマを絞り込む。「戦艦大和の建造費」だけを抽出したのである。

●常々、練習には意味がないと考えている。いくら資料を読み込み、準備しても、パンを持って描き出さなければ永遠にマンガはできない。
本番の中で自分を鍛えていけばいい。練習して上手くなってから、準備を完全にしてから、と言ってうちに、何もしないで終わる人は多い。まずは一歩を踏み出すことから始めよう。

●ストーリーを展開する上でよく使うのが「対立の構図」をつくること。あとは、主人公がその対立をどう乗り越え、解決していくかでストーリーを展開させていけばいい。
もう一つ、意外な要素を掛け合わせること。ここにギャップがあればあるほど、強烈な個性が生まれる。ただし、この意外性やギャップは現実的にありえないことであってはいけない。

●私は個性などというものを信じていない。どんな分野でも最初は先人が培ってきた技術や知恵をマネすることから始まる。一人で独自の方法を追求するより早いからだ。一人の人間が持つ能力なんてたかが知れている。まずは型通りにやってみる。とことんやる。そうすれば個性は後からついてくる。

要するに早く結果を出すことが大事なんだ。
あなたが個性を探すプロセスには誰も一円もお金を払わない。完成原稿にしか価値はないのだ。

●アイデアはひらめく瞬間を待っていても来ない。アイデアは考え出すものではない。
面白いネタはそこらじゅうに転がっている。「何かあったらマンガのネタにしよう」ということを頭の片隅に置いて、ぱっと捕まえるくらいの姿勢でいよう。

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