小説を書く人のAI活用術
山川健一/今井昭彦/葦沢かもめ 著
2024年 インプレス
ストーリー作りのコツ&AIとのアイデア出し、というサブタイトルがついています。
小説に限らず、映画のシナリオにも得るものがあるかと読んでみました。
著者たちは、主にChatGTPを使って、小説を形にする試行錯誤を続けていきます。
面白いと思った部分を一部抜粋します。
・全てを丸投げにすると予定調和的で穏便なストーリーしか作ってくれません。読者の感情をフリ動かすような、ドラマチックかつ刺激的な部分は、自分で書くしかない。
・「最初に仮の結末を設定」し、「最後に結末を差し替える」のがポイント。自分が作った条件を提示し、ChatGPTに発想させ、提案を取り入れながら、自分好みに改変していく。
・エンターテインメント物語の主題は、主人公が「問題」を「解決」するまでの顛末。最初に考えるべきは、問題解決の方法。同時に、その解決を阻止する障害をたくさん作る。
・ChatGPTがうまく動いてくれないのは、私がやってほしいことをきちんと言語化できていないから。
・全部AIに任せるのではなく、「場面ごとの大まかな人物の行動」まで落とし込んでプロットとしてAIに与える(部品を作って結合するイメージ)
ノウハウ的な部分もありますが、AIの進化がまだまだ途中である以上、大部分は「著者たちなりにやってみた」という履歴を追っていくような内容になっています。
読んでみて思ったのは、「できそう」と「いいのが書けた」の間は、ずいぶんと、深いな、ということ。
(これは小説に限らないことだと思いますが)AIは有能ですが、丸投げで仕事はできません。人間がきちんと誘導、指示を出すことで、得られるものが変わってくる。
AIの進化はすごいので、本書が書かれた2024年末から、今はさらに、そして今後もさらに進化を続けるでしょう。
しかし、性能や使い方は変わっても、根本の部分、つまり、人間とAIのやり取りはそれほど変わらないのではないかと推測します。
(来年、人間は空を飛んでる、とかアップデートしないため)
そういう意味では、本書はいつ読んでも示唆深いのではないかと思います。
著者なりの「物語を分析するプロンプト」「物語を作り出すプロンプト」も掲載しています。
本書からの個人的な一番の金言を最後に。
「ChatGPTはよく磨かれた鏡のようなものなのです」
