映画技術入門

03監督・役者

『映画技術入門』
高良 和秀/編著 ゆめの/漫画  
2024年 明幸堂  

まず注意点。
タイトルに「技術」とあるのは、カメラワークとかではなく、スクリーンサイズやフィルムの特性といった、映画の撮影方法や上映の仕組みにスポットを当てた一冊です。
つまり、映画制作に役立つノウハウ、といった内容ではありません。

ただ、こういう内容も好きな方はいるかな、と思って紹介してみました。

・スタンダード、シネマスコープ、ビスタ。
監督がどのサイズで撮るかを決めるのは、上映される劇場の仕組みまで計算に入れてのこと。
キューブリックなどは、上映館の設備まで細かくチェックしていた。

・デジタルに移行する監督は「新しもの好き」だと思っていたが、実は別の理由があったようだ。
フィルムは上映のたびに傷が入り、人気作ほどボロボロになる。完璧主義の監督たちは、その劣化に心を痛めていた。

・映画の公開を「封切り」と呼ぶのは、新しいフィルムの「封を切る」ことから。

・20世紀半ばまで、ナイトレートフィルムで作られた映画は、スクリーンが銀色に輝いていた。
だから往年のスターを「銀幕のスター」と呼ぶ。

・16mmフィルムで撮られた映像には、独特のドキュメンタリーのようなリアリティが宿る。

・現像所の工程ひとつで色合いは変わり、それが監督の「作家性」にもつながっている。

・タランティーノ監督は、フィルム上映特有の「突然シーンが飛ぶ不完全さ」を、あえて表現として取り込れた。

読みながら、昔、iPhoneにアナモルフィックレンズをつけてシネマスコープ(1:2.35)の撮影を試したことを思い出しました。
撮った後の工程が面倒でやめてしまいましたが。

映画の「裏側」が学べる一冊です。

映画技術入門
「映画技術を具体的な作品にリンクさせているところに脱帽した。 これからの教科書になるだろう。」 岡田秀則(国立映画アーカイブ主任研究員) 「恥ずかしながら知らないことが多く(そんなにスクリーンサイズってあるのか!)、とても勉強になった。漫画...
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