世界名作映画絵コンテ図鑑

『世界名作映画絵コンテ図鑑』
フィオヌラ・ハリガン (著), 富永 晶子 (翻訳)
2014年 スペースシャワーネットワーク

世界の名作絵コンテを集めた書籍が発売されました。

これだけの絵コンテを一気に眺める機会は、
そうそう無いでしょう。

値段もすごいですが、大きさとボリュームもすごいです。

詳しいレビューはブログに書きました。
中身も写真で紹介しています。
http://blog.livedoor.jp/karufu/archives/1895239.html

スタジオ撮影&ライティングブック

『スタジオ撮影&ライティングブック』
PhotoGRAPHICA編集部
2009年 MdN

屋内での写真撮影における照明のテクニック本です。
でも、映画でもほぼ同じコツが使えます。

映画撮影で、ここまで細やかな照明がセッティングできる可能性は低いですが、
一つ一つの撮影の様子を写真とイラストで説明しているのが凄く役に立ちます。

俳優の演技訓練

『俳優の演技訓練』
三谷一夫 編著
2013年 フィルムアート社

プロの映画人材を育成する「映画24区」代表による、映画演技についての本です。
演技ワークショップの講師として呼ばれた24人の映画監督が持論を展開していきます。

一つ一つが短く、さらっと読めますが、濃い。
監督がどういうものを俳優に期待しているのか、という視点で読むと得るものが大きいと思います。

特に心に残ったのはこれ。

「人前で演技するのが好きなことと、演技ができることは違う」

漫画バイブル5 コマ割り映画技法

『漫画バイブル5 コマ割り映画技法』
塚本博義 監修
2007年 マール社

いわゆる、漫画の手引書です。
でも、タイトルに惹かれて手に取ってみると、これが結構参考になったのです。
漫画の描き方も、映画に役立つな、と発見です。

映画のカット割と、漫画のコマ割りを比較。
その演出の違い。

カメラワークを意識した絵の描き方。

ズームイン・アウトやパン・ティルトの描き方など、
絵コンテの描き方に通ずる部分もあり。

漫画の演出法、というのは考えたことがなく面白かった。

右から左、上から下へと読者の視線をうながす。
ページ見開きをイメージしてコマ割りを演出する、など。

また、漫画はセリフの文字や大きさ、効果音の表現も演出の一つです。
ここは映画と違うところですね。

いやあ、参考になるところもならないところも、面白かった。

シナリオ無頼 祭りは終わらない

『シナリオ無頼 祭りは終わらない』
中島丈博 著
2010年 中公新書

脚本家、中島丈博の本です。
「シナリオライター」ではなく「脚本家」とあえて書きたい。

しみじみと読み終わった本でした。
これぞ、脚本の書き方だ、と思ったからです。

この本は、脚本のフォーマットだとか、表現方法だとかには一切触れていません。
ただただ、著者の反省をつづっていく内容です。
でもこれが、僕にはすごく沁みました。

時代背景も古く、今求められるものとも大きく違う。
でも、田舎から都会に出て来たときの不安とか、業界に身を置いたときの周りとの距離のとりかたとか、気に入らない時のケンカの仕方だとか・・・
人と人は、まったく変わらないなあと思うのです。

脚本には、書き手が乗り移る。
書き手の人生から離れられない。

そんなことを考えた本でした。

ビデオジャーナリズム

『ビデオジャーナリズム』
神保哲生 著
2006年 明石書店

個人で戦うビデオジャーナリストの本です。
これだけ機材が身近になったのだから、どんどんジャーナリズムに挑戦して欲しいという想いから書かれています。

ドキュメンタリーの本はよくあるが、それとはちょっと違う。
「ジャーナリズムの文法」として、映像の表現・記録方法について詳しく書かれており、撮影の基礎講座としても十分役に立ちます。
機材リストも参考になるでしょう。

でも何より、「ジャーナリズムとは」「心構え」といったところに軸足が置かれていると強く感じました。

映画も同じ。
どうやって撮るかの前に、何を表現したいか、が重要なのです。

映画表現の教科書 名シーンに学ぶ決定的テクニック100

『映画表現の教科書 名シーンに学ぶ決定的テクニック100』
ジェニファー・ヴァン・シル 著
吉田俊太郎 訳
2012年 フィルムアート社

セリフを使わない映像テクニックを100個集めた本です。
読んで気付かされたけれど、無声映画の時代は、セリフで物語を伝えることができなかったわけです。

100種類すべてに、サンプル映画とそのシーンのコマ写真。
そして詳細な解説がついています。
「教科書」という表現に間違いはなく、読むのはすごく楽しい。

しかし、この本を辞書のように使ってはいけません。
この中からどれを使おうか、という発想になるのは間違っていて、これだけ演出家はあれこれ考えているんだ、ということを知ることだけが本質だと思います。

自分の作品をつくる際に、じっと考え抜く。
どうやったら伝わるか、を考え抜く。

これが、映画作りの醍醐味だと改めて思いました。

大河ドラマをつくるということ

『大河ドラマをつくるとうこと』
大石学・時代考証学会 編
2012年 名著出版

大河ドラマの制作を通して、時代考証をどう考えるかを解き明かして行く本。
「なるほどなあ・・」としみじみ納得する内容でした。
時代考証というものをどうやって行い、そしてどこまで厳密に行うのか。
いくつかピックアップしてみます。

○あることがらをリアルにとらえようとする場合、事実を追いかけることでは達成されない。
むしろ、様々な取捨選択の技術や、ある種の嘘を加えることにより、リカル化は達せされることになる。
○『龍馬伝』ではいわゆる時代劇をやるつもりはありません。幕末という現代を描くドラマを目指したい。
当時の人々のいでたちや所作のリアルには徹底的にこだわりながら、「すぐ隣りにいる」ような臨場感あふれる人物像を作り上げていく。
○時代考証作業は、次のような過程になる。
原作→脚本→「時代考証担当による台本チェック」→演出→小道具・・・
○脚本家から原稿が届くと、一話ずつ、一言一句を交渉の先生方とチェックして行きます。
○最初の企画立ち上げから、放送終了まで。大河ドラマ一作品あたり、考証は、およそ三年半に及ぶ。
○時代劇、現代劇を問わず、事実を元にした番組を作るときには、まずは自分で年表をつくる。
主な登場人物が生まれてから亡くなるまで、その行動を日付単位で書き込む。
○史実との違いが分かっていながら制作したフィクションの場面もあるので、その際は理由を公式サイトなどで周知する必要があるだろう。
『篤姫』の場合は、史実と違う部分が大きな反響を呼び、資料を発掘してその検証が行われた。
それは大変望ましいことであり、時代考証はその契機の一つとなることができる。

大河ドラマは、厳密な歴史の再現ではなく、あくまで「ドラマ」であること。
そして、リアルさというものは、事実だけで成り立つのではないこと。

自分の作品にも反映させたい考えです。

<実戦>映像ライティング

『<実戦>映像ライティング』
櫻井雅章 著
2008年 玄光社MOOK

照明の本では、これがすごくオススメ。
動画撮影における照明の技術とノウハウを豊富な写真で紹介しています。

どれとどれがあれば、どんなことができるのか。
そんな参考にピッタリの本です。

特殊機材だけではなく、身近なものを使った工夫もいい。

この本を見ると、
○照明が「工夫」でできていること
○光の演出とは「作り上げていく」こと
ということがよーく分かります。

辞書のように都度パラパラめくって参考にする、という使い方に適しています。

専門用語集は役に立ちますが、全部覚える必要はありませんし、
機材リストも、その中からピックアップする、という見方をしましょう。

ジェームス三木のドラマと人生

『ジェームス三木のドラマと人生』
ジェームス三木 著
2008年 社会評論社

脚本家、ジェームス三木のエッセイと脚本論と半生記。
脚本についてなるほど、と思うところは前半に集中してます。

○脚本家としての私は、言葉の伝達をなるべく正確にしたい。一つのヒントは、なるべく短い言葉で表現すること。
このシーンは重要だから、言葉をたくさん使って書こう。心理描写、性格描写を丹念に書き込もう。
こう考えるとだいたい失敗する。たくさん書くと焦点がぼけるのだ。

○実は脚本家は、文才のある人より数学のできる人が向いている。

○「ドラマは数学である」野村芳太郎監督はそう教えてくれた。ムダな登場人物は一人も要らない、なくてもいい場面は、あってはならないと。
その後私は、極意を体得した。ドラマノ構成は、場面と場面、人物と人物、要素と要素が、掛け算になっていなければならない。足し算にしかならない部分は、全てオミットする。

○ドラマの脚本も、さまざまな制約がある方が、すんなり書ける。
製作予算が決まっていて、俳優のスケジュールがタイトで、しかもスポンサーの要求が厳しく、締切が目前に迫っていれば、選択肢は自ずから限定される。
えーいとばかりに書きまくるしかない。
「締め切りはありません。予算は無制限です」と言われると、たぶん途方に暮れる。
選択肢が多すぎて、何をどう描けばいいのか、あれやこれやと手がかりを探すうちに、焦点がぼやけて、駄作に終わりかねない。

○「セリフと感情とは、一致しないのが面白いんだよ。人間的なんだよ」
ダメな役者は、セリフ=感情、と思い込んでいる。だから演技が平べったくなる。