『ジェームズ・キャメロンと6人の巨匠が語る サイエンス・フィクション創作講座』
ジェームズ・キャメロン 著|阿部清美 訳
2020年 DU BOOKS
ジェームズ・キャメロン監督が、6人の映画監督たちと語り合うTV番組の様子を書籍化したもの。
相手が、スピルバーグ、ルーカス、ノーラン、ギレルモ・デル・トロ、リドリー・スコット、シュワルツェネッガーと、ビッグネーム揃い。
いくつか気になった部分をピックアップしてみます。
・ジェームズは、個人的な人生の様々な要素を自身のSF作品に取り込み、とりわけ、人物設定の基礎固めをした。
『ターミネーター』の話を執筆していたとき、ウェイトレスの女の子と一緒に暮らしていたこともあり、脚本に採用した。
それゆえ、映画の中のウェイトレスの反応もリアリティがあり、観客に受け入れられたのだ。
・スピルバーグ:子供時代に僕の想像力を掻き立てたのは、単純に、恐怖心だったんじゃないかな。
僕の場合は、絵コンテを描こうと机に向かいスケッチをしていると、ベストなアイデアが浮かぶんだ。
スクリプトにはたくさんのアイデアが詰め込まれていたけれど、絵コンテ作業で、さらに多くのアイデアが生まれた。
・スピルバーグ:僕らが絵コンテボードにやっとの思いで向き合い未来の姿を描こうとする前に、マイクロソフトやアップルが驚くべき未来予想図を思いついてしまっているのが現実だ。
・ルーカス:『スター・ウォーズ」は子供たちのために作った映画だ。年齢を問わず、全ての人々に楽しんでもらえるけれど、12歳向けに作られていることには変わりはない。
だからといって、12歳児を過小評価しないでほしい。彼らはときに、我々大人たちよりもずっと賢い。
・キャメロン:僕はホラーの巨匠を何人も知っていて、面白いことにその全員が実は怖がりらしい。
彼らは自身の恐れを他の人々に投影しているんだね。
・シュワルツェネッガー:(ロボットとして)話すときに、喉仏が上下に動かないようにするのも、重要なポイントだった。大きなスクリーンでクローズアップになるわけだから、観客は細かい部分にまで注意を払うはず。
話は、過去の体験談や思い出話、そして、タイムトラベルは可能だと思うか?などにも飛びます。
キャメロン監督のコンセプトアートも大量に満載。
余談ながら、訳者の細かい仕事に感心しました。
言葉遣いが使い分けられていた。
ノーランは、歳上のキャメロンに対して丁寧語だったし、デル・トロは自分が歳下ながら長年の友人ということでくだけた話し方に、そしてキャメロン自身も、敬愛するスコットに対して丁寧語になる。
後半の、キャメロンとシュワルツェネッガーの会話が心に残りました。
「人間であり続けるために、我々に何が残されるというのか?」
「それは新しい世代の課題だ」
SF小説や映画が大好きな人は、大量の作品のタイトルも出てきて楽しめる本だと思います。

