三谷幸喜 創作を語る

03監督・役者

『三谷幸喜 創作を語る』
三谷幸喜 松野大介 著
2013年 講談社

脚本家であり映画監督の三谷幸喜に
過去の作品についてインタビューした内容。
 
個人的には
演劇人が映画を撮ったら
脚本家が映画を撮ったら
という視点で読みました。

いくつか気になった点をピックアップします。

・学んだのは、衣装の色の統一とか。
『みんなのいえ』は茶色で統一したので、この映画には青は一切出てこないんですよ。

・ウディ・アレンをかなり勉強しました。
なんでウディ・アレンの長回しはあんなにいいだろうと思ったら、映ってない人間がしゃべるカットがすごくあるんですよね。
カメラのサイズから俳優がはみ出してることもある。
あれがいいんだって監督やってみてわかった。
ふつう、そこで行われてることは全部をカメラの中に収めようと思っちゃう。

・『新選組!』『12人の優しい日本人』では、メイン登場人物の数だけ紙人形を作り、それぞれのストーリーを考えた。
それぞれの気持ちになって脚本を読む。
登場していないとき、この人物は何をしているのかを考える。

・おもしろい芝居とおもしろい映画があったら、おもしろい芝居の方がおもしろい。
でも、つまらない芝居とつまらない映画があったら、つまらない芝居の方がつまらない映画よりもつまらない。

・笑いには同時代性がある。未来の人を笑わせようとして書くんじゃなく、今の人を笑わせようとしている。
だから、未来の人が読んで「こんなつまらないものを演っていたのか」と思われるのが恥ずかしい。
でも、映画は残っちゃうから、手に負えない。

・僕は興行成績は気にせず、自分がおもしろいと思えるものが創れたらそれでいいんだけど、あまりお客さんが入らないと次回作はもう無い。

知ってるドラマや映画が目白押しで、
ファンとしても楽しめる一冊になっていると思います。

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